診療情報の特性

１）３次元の構造をもつ
　　患者軸・・・個々の患者
　　項目軸・・・その患者に対する検査結果、処方、処置
　　時間軸・・・項目軸がくり返し行われる
 
２）時系列構造をもつ
　　何回も測定　　項目別にして新しい情報に常に最後尾に追加
 
　　 （側）
３）欠損値が多い
　　全ての検査を実施するのではない
　　実施していない検査は空白となる
 
４）あいまいである
　　ことばの表現に統一性がない
　　高血圧：ＨＴ　糖尿病：ＤＭ
 
５）表現形態は多岐にわたる
　　文字、波形、動画、音声などの複合
 
６）可変長である
　　診療の長さが一定ではない
 
７）個人診性である
　　取り扱いは細心に高い医療情報倫理が求められている

医療情報の種類と特性

表現形態から診療情報を分類

１）コード情報・・・患者の病態や医療行為を分類コード化

　　①患者基本属性（氏名、ID、生年月日、性別・・・）

　　②傷病分類：ＩＣＤ－１０、検査分類。Ope分類、ＩＣＤ－９ＣＭ

 

２）数値情報・・・定量的に示される情報

　　①身長、体重、年齢、血圧、検査数値情報

　　②薬品の投与量、日数など治療に関する数値情報

 

３）音情報・・・聴診器による心音、肺音

４）テキスト・自然言語・概念情報・・・医療情報として重要
　　文章記述情報
　　　　　患者の主訴、徴候、身体所見～経過、評価、看護過程・計画、評価、サマリーなど
 
５）図形・波形情報患部の位置や検査所見の略図
　　心電図、脳波などの波形の情報
　　病態を票やチャットで表現

６）画像情報静止画像（Ｘ－Ｐ、Ｘ－Ｄ）
　　カラー画像（内視鏡、病理、サーモグラフィ）
　　動画像（心エコー、シネアンギオ※）
　　立体画像（３次元ＣＴ）３Ｄ－ＣＴ→バーチャル内視鏡
　　　　　※シネアンギオ　心臓血管連続撮影

７）知識情報診断治療の知識、ガイドラインなど診療支援に利用　フローチャート

医療情報の特徴と種類

医療情報とは医療の実践にともなって生じる情報すべてをいう
　
    種類
１）患者の診療情報　　センシティブな個人情報
　　①生体情報・・・検査結果→形態的病態情報・・・画像
　　　　　　　　　　　　　　           →病因的病態情報・・・ウイルス菌　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　              　　遺伝性多型性
　　②症候的情報・・・自覚的病状である主訴などの主観的病態情報
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（C.C）
　　　　　　　　　　　　　　身体所見などの観察的情報
　　③判断的情報・・・患者の病態に対する思考判断含んだ高次な医療情報
　　　　　　　　　　　　　　診断情報
　　　　　　　　　　　　　　治療看護情報
　　　　　　　　　　　　　　予後情報
 
２）疾病、医療に関する情報
　　①医療施設・・・統計、指標、計画などの情報
　　②地域・・・観戦情報、予後情報、地域医療連携
　　③国・・・羅患情報、疾病構造の変化、予防政策
 
３）医療資源、医療制度に関する情報
　　医療施設の性格（急性期、慢性期、療養型・・・）や数
　　医師、看護師数
 
４）医学知識
　　新薬、副作用情報、新しい医療技術、治療法に関する情報
 
５）医療事故の問題など、事実の報道
　　新聞、ＴＶ、雑誌、インターネット・・・

医療情報学

医療情報学とは何か

患者一人ひとりの診療に関わる全ての診療
医療技術の進歩に伴いその量は増大
　　　　　　　　　　↓
保管や処理にコンピュータの利用は不可欠
診療情報管理士として必要な基礎知識や応用事例について学習すること

医学・医療と情報

データ・・・まだ意味づけされていない記号の羅列→客観的

情報・・・人にものを知らせ、判断や行動のもととなるデータに受け手の解釈や価値を与え受け手の意思決定や行動の選択につながるもの→主観的

医療情報学と診療情報管理士

ものの管理から情報の管理へ
１）質（精度）の管理
　質の低い情報で統計を出しても正しい姿は見えない
２）質の高い情報を経営管理、医療の質の管理、医学研究などのために提供
３）患者への提供
　質の高い情報を患者に開示→診療情報管理士が開示に対応

診療情報管理学

本日のテーマ
優先順位（priority）を必ずつけること

※社会に出れば→その人の都合に関係なく→同時にいくつもの仕事が来る！！

Avedis Donabeddian （１９１９～２０００）


１９６６年の雑誌に掲載された論文
医療の質は
①構造（struture）
②過程（process）
③結果（outcome）